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「あぁ?人がせっかく教えてやってんのにテメェ」
「い、いやいやいや!流石に教え方下手すぎだろ!こんなんじゃ誰も理解出来ねぇよ」
「あぁ?」
「上条にも出来ないことってあるんだなー」
あっ、心の声にするつもりだった言葉が!
その瞬間、上条のオーラが凍りついたような気がした。
やばいやばい、これ絶対上条怒るじゃん、やばい!
俺の残りの授業がつらい!
教科書が!
「……当たり前だろ、馬鹿が」
なのに、返ってきたのはあまり勢いのない罵倒。
あれ……?
なんか上条、元気ない? 気のせい?
こういうとき、相手がみーくんだったらわかるんだけどなぁ。ずっと一緒にいたから。
上条なんて今日初めて喋ったんだから機嫌とかわかんない。ずっと怒ってる気しかしない。
「……か、」
名前を呼ぼうとしたところでチャイムが鳴った。
そのまま上条と話すことなく、次の授業が始まった。
そしてその後も会話はなく、午前の授業が終わった。
さて、ここで問題がある。
いつもは俺、みーくんと教室で弁当を食べてた。
絶対登校してこない上条の席借りて。
今日上条いるんだけどどうしよう…。
「みなと」
「あ、みーくん」
「どうする?」
「うーん…裏庭はカップルの溜まり場だからなぁ。あんな甘ったるい空気の中食べたくないし…屋上は……寒い」
「今日はセーター着てないんだ」
「さすがに余裕なかった…」
俺めっちゃ寒がりなんだよね。
しかも今は11月末。もう冬でしょ、真冬並みに寒いから。屋上なんてめっちゃ風が吹き荒れてるから無理。
最近は毎日セーター着てたんだけど今日は朝急いでて余裕なくて着れてないから超寒い。
それに窓際ってなんか寒い。
うーん、と2人、頭を悩ませる
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