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 サンちゃんは依然「ユミコ」と言っていたが、次第に 「ユミコ、ウルサイ! バカ!」 「ハヤクシナ! ユミコ!」  などと言うようになった。  ほとんど「ユミコ」を罵倒する言葉ばかり。  まるでヒステリックな親が、子どもを叱るみたいなニュアンスだった。  いよいよおかしいと思ったが、やはり心当たりはない。  それで、いつからこんなことを言うようになったのか、よくよく思い出してみると、今住んでいるマンションに越してきてからのような気がする。  友人夫婦は共働きで、日中は部屋にいない。  そのときに外から「ユミコ」ちゃんを叱る親の声が聞こえて、それをサンちゃんは覚えてしまったのではないか?  そんな推論を立てたが、いまいちしっくりこなかった。
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