監督の思い

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「それでは、今日はオリンピック最後の試合です。  皆さんは、心を1つにして助け合って頑張ってください。」 監督の言葉に選手の皆は、 「はい」 という元気な返事をした。 この後、選手の皆は少しリラックスできたようで、特別なプレッシャーはなく、いつもの試合前の雰囲気になったように感じた。 私自身も余計なことは考えずに、今までの試合と同じように、ボールに集中して頑張ろうという強い気持ちになっていた。 試合の時間が近ずくと、体育館の中に入場した。 やはり決勝の舞台とあって、会場は満席で、マスコミの数も多いように感じた。 会場に入ると、選手の皆は監督の周りに円陣を組んだ。 「さぁ皆さん、全力で頑張りましょう!」 監督の言葉に選手の皆が、 「オー」 という元気な掛け声をかけて、いつものように選手どうしてハイタッチをして、先発メンバーがコートに入った。 先発メンバーの私もコートに入ったが、この時の私は、 (よし、頑張るぞ!) と自分自身に気合を入れていた。 場内が静まりかえり、ホイッスルの音が鳴った。 全日本女子バレーボールチームのオリンピック決勝戦の戦いが始まった。
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