監督の思い

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私の名前は『浅井 千夏』、会社の女子バレーボール部に所属していてVリーグに出場している。 私は、全日本女子バレーボールチームのメンバーでもあり、今年オリンピックに出場したが、残念ながらメダルには手が届かなかった。 でも、全力で戦ってやりきったという思いがあり、悔いはなかった。 また4年後のオリンピックを目指して、新たな気持ちでスタートした時、全日本女子バレーボールチームの監督が交代になることになった。 新しい監督の名前は『大野 誠』、年齢は55歳で元全日本男子バレーボールチームで活躍した人物らしい。 監督就任時の私達選手に対する挨拶は、落ち着いた口調で優しく語りかけるような感じで、厳しい監督という印象ではなくて、優しい感じの監督という印象だった。 監督は、私達にこんな質問をした。 「皆さんの目標は何ですか?」 すると、選手の清水さんが、 「オリンピックで、メダルを取ることです。」 と発言した。 この発言に異論を唱える選手はいなかったが、さらに監督が質問してきた。 「メダルの色は?」 すると、清水さんが少し遠慮しながら、 「それは…金メダルが取れたら嬉しいですけど…」 と発言した。 それを聞いた監督は、私達選手に問いただすように言葉をかけてきた。 「それでは、このチームの目標は、オリンピックで金メダルを取ることにしましょう!  目標は、より明確な方がいい!  何か意見ありますか?」 監督のこの発言に、反論する選手は誰もいなかった。 「それでは、これからよろしくお願いします。」 監督が私達選手に一礼してきたので、私達選手も、 「よろしくお願いします。」 と口々に挨拶した。
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