監督の思い

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残暑厳しい夏の終わりに全日本チームの合同練習があり、初日は今までの練習と同じ内容で行われ、監督はただ見ているだけだった。 翌日、監督からはじめて指示が出た。 「体力テストを行います。」 小中学生の時以来やっていないことを今さら何故だろうという気持ちはあったが、私は言われるがままに体力テストに臨んだ。 体力テストは、「握力」、「立ち幅跳び」、「走り幅跳び」、「反復横跳び」、「上体起こし」、「長座体前屈」、「立位体前屈」、「垂直跳び」、「ソフトボール投げ」、「長距離持久走」、「シャトルラン」、「短距離走」と全て実施されて各選手の記録が測られた。 この体力テストは1日間行われ、この翌日監督から次の練習の指示が出た。 「走ってください。  ジョギングのように、あまり早く走らなくていいです。  少しベースを遅くして走ってください。  ただし、走るペース、リズムは変えないでください。」 走ることは、毎日の練習前のストレッチとして実施するが、この日はひたすら走った。 走ったというより走り込んだと言った方が正解だと思う。 体育館のバレーボールコートの外側を10週走って10分休憩するというパターンで繰り返された。 合同練習中は、このような練習が何日か続き、バレーボールを触らせてもらうことができなかった。 少し寒さを感じるようになった秋の終わりに全日本チームの合宿があった。 合宿では、主に外での練習で、グラウンドでの走り込みと階段を駆け上がる練習が繰り返された。 監督から階段を上るときも、駆け上がるペースとリズムを変えないようにという指示があった。 階段は105段あって、最上段まで駆け上がったら歩いてゆっくり階段を下りて10分休憩するというパターンで繰り返された。 合宿中もバレーボールに触らせてもらえなかった。 この練習は、いったい何のために行っているのだろうか? 他のメンバも疑問に思っているようだった。
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