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さらに食のペースが進み、あっという間に、
大盛のもやしと300グラムあったハンバーグを食べ尽くした。
「源ちゃんっ!!
ご飯食べたいっ!!」
サユリの食欲不振はもう消え去っていた。
「はい、どうぞ」
「まあっ!!
手まり寿司っ!!」
中程度の皿に、小さな手まり寿司が五つのっていて、ご飯が衣を着たように、
見た目にも涼やかな一品だ。
「…ああ、なんだか、幸せ…
食べることって、こういうことなのね…」
手まり寿司の最後のひとつを頬張りながらサユリは満面の笑みだ。
「まずは食欲を増進する必要がありますから。
ハンバーグをいきなり見て、食欲が沸くのは子供くらいでしょうね。
ですがもやしなら食べられない事はない。
仰ったようにもやしは味を強めに付けて、ハンバークは薄味です。
ですのでたくさん召し上がられたという結果に繋がりました。
そしてご飯は白いご飯とつけあわせでもよかったのですが、
やはり涼しく食を終えてもらおうと思って、
手まり寿司を用意しておいたのですよ」
「もう、メニューって、決めてくれてたの?」
「はい。
サユリさん、かなりお疲れのようでしたので。
気に入っていただいて満足しています」
「本当においしかったわぁー!
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