道すがら食堂

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 今までできっと一番感動したと思うのっ!  早く帰って寝ることにするわ。  今日はおいくら?」 「ツーコインで」 「えーっ!  たった600円でいいのっ?!」 「できれば一枚は一万円金貨だとありがたいです」 「そんなの持ってねぇーよっ!!」 オレとサユリは大笑いした。 サユリは結局、全く見ずに財布から抜いた一万円札をカウンターに置いた。 最近のこの店の料金システムはこの様な場合が多い。 サユリのメニューを欲したホステスたちが、一斉に食事を始めた。 そして舌鼓を打って、満足げにして勘定をテーブルの上に置いて帰っていった。 源次郎が現金を回収していると、一万円金貨があったことに大笑いした。 今は午前一時、真夜中真っ只中だ。 ~ ~ ~ ~ ~ 午前三時。 もう真夜中とはいい辛い時間帯だ。 夜の帳も、そろそろ上がろうとする時間に、 どう考えてもその筋の男が店内に足を踏み入れた。 「いらっしゃい、だんな」 眉間に皺を寄せたこの男は、源次郎の目の前のカウンター席に座った。 「固くてマズイとんかつプレート」 「だんな、酷いですよ…  安い食材をできる限り美味しく頂ける工夫なのですから…」 「そうか、それは済まなかったな。  ダブルで」 「はい、トンカツダブル、毎度っ!!」     
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