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こっちの方がすっごーいっ!!」
雛は大声で喜んでいたが一輝は気に入らなかった様で、
デザートに箸を突き立てようとしたが、
雛がスプーンでその箸をブロックした。
「おふたりはご兄妹で…」
「まあな。
血は繋がっていないが兄妹には違いない。
雛の祖母と、オレの父が結婚したから、
正確には兄妹とは言えないけどな」
「兄妹でいいの!
…お兄ちゃんがいたからビックリしちゃったわっ!!
お兄ちゃんもここで?」
「ああ、オレはいつも少し前の時間で、
いつもなら今頃は家についているころだな」
「私、今日は撮りが早く終わったから。
一体、いつから?」
「この店ができてすぐだから、もう一年だな」
雛は気に入らない様で頬を膨らませた。
雛がこの店に始めて姿を見せたのは半年前だ。
それ以来、融通の効くこの店を気に入ってくれた様で、
ほぼ毎食この時間には必ずここに来て何かを食べている。
雛が、少し上目遣いで源次郎を見ていた。
「源ちゃんに、お願いがあるんだけど…」
雛は一冊の台本をカバンの中から出した。
「セキュリティーターミネイト…
雛さん、この大作にっ!!」
源次郎は大いに驚いた。
映像化不可能と言われたこの作品に雛が出るようだと、
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