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猫
「おい、お前が見たってのはやっぱり猫だな。」
おもむろに言われた。
うちの古い住宅には霊がいる。
以前、猫が来たことはわかってるがあたしは見えない。
「去年の子猫?」
うちに居着いた猫が去年産んだ黒猫の霊…
うちの人は見えてた人らしいんだが、最近は全然見えなくなっていたと言っていたのに、突然見えたらしい。
何か意味があるのかな…
その話をされる前に親猫が家に入れろと随分騒いでいたという話は聞いていた。
いずれにしろ、あたしは御線香を焚く。
親猫と、今年産んだ子猫達、今年の子猫達の父親…と思われる猫が、静かにテラスで休む。
不思議な空気が流れた。
「また来てたのか!」
「…やめなさいよ☆」
うちの人は父親猫を虐める。そうなるにはそれなりの経緯があっての事だが何ともみっともない…
それを諫める為に見せたんではないだろうか…
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