期待するより諦めるのが楽

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莉桜(りお)!」 「(しゅう)。久しぶり。」 「やだもう。相変わらず可愛いわね!」 「……………」 「音羽(おとわ)。ご挨拶は?」 「…お姉ちゃんに触れるな。メス豚め。」 「あん!憎たらしい子ね!」 「もう音羽。…そんな態度じゃ、お姉ちゃん悲しくなっちゃうよ?泣いちゃうよ?」 「…!……こんにちは。」 「…プッ!あははは!いつになってもぶれないね!このシスコン!」 「柊ちゃん!からかっちゃダメ!もう。」 ある日曜日。 久しぶりに集まろうと呼び掛けたこの人は井上(いのうえ)柊。 大学で友達になったうちの一人だ。 私は長峰(ながみね)莉桜。 大学を卒業してすぐに結婚した。 音羽は三つ下の妹。 「他のメンバーはまだ?」 「あ、今LINEあって、全員駅で鉢合わせたって。一緒に来るみたい。」 「おーい!莉桜!柊!」 「あ、来た来た!」 駅方面から小さな集団が笑顔で手を振っている。
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