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「ちょっとぉ。遅いじゃない。何やってたのよ。」
もう慣れてしまったのか、ロマンがしゃべろうが驚かなくなっていた。
「ルカとピーチの様子も見てみたの。ロマンの言葉だけじゃなくて、動物全般の言葉が聞こえるのかもしれないわ。はあ……、素直にこんなことを受け入れちゃうなんて、ほんとに疲れているのかも」
がっくりと肩を落とす私のもとに、ロマンが本棚から降りてやってくる。
「もう、私のことよりあいつらのことを優先したの? 妬けちゃうわ」
優雅な足取りで私の足に体をこすりつけるロマン。かわいく思えてしゃがみ込むと、頭をぐりぐりと押し付けてくる。
「ごめんごめん、はい、お水。」
「ありがと」
ちろちろと舌を出し入れしながら、水を飲む様子を眺めていると、あっという間に時計が0時を指していた。
「ロマン、私、もう寝るけど電気消していい?」
「にゃあ」
「あれ? ロマン?」
何度呼び掛けてみても、ロマンからはにゃあにゃあと普通の鳴き声が聞こえるばかりである。
「やっぱり疲れていたのかも。動物の言葉が分かるわけないもんね。よし、寝よう」
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