5人が本棚に入れています
本棚に追加
彼の無邪気な笑顔を見上げていると胸が苦しくなる。好きです、と言ってしまいたくて、でも私は言わなかった。代わりに右手を出して握手する。
「よろしく、稲生くん」
「よろしく、水島」
そして笑い合った。
怪異だらけの場所でも、砕氷船のように進んでいく稲生くんの姿に私は憧れていた。その恋はまだ実ってないけど、手に入れたものもある。
ただ遠くから見ているだけの憧れじゃなくて、本物の絆を育てていこうと、そう思った。
最初のコメントを投稿しよう!