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彼女はニヤリと笑みを浮かべ机に腰を掛けた。
「あ、机に腰かけるのはどうかな」
混乱していて、些細なことを注意してしまう。
「おっと、すみません。でも、先輩って細かいルールとかが気になるタイプですよね。そういう人ってやっぱりルールをきちんと守る人が好きなんでしょうか」
ん? 何だか話が変わってきた。
「えっと、それはつまり(細かいことが)気になる(几帳面)人(僕)が気になる(好意)人(誰か)のことが気になる(興味)ってこと?」
「さあ、どうなんでしょう」
彼女の口角は上がりっぱなしだった。迷路に迷い込んだような気持ちになる。
「そういえば、片瀬先輩にもこの前、迷い箸を怒られました。片瀬先輩も細かいルールが気になるタイプなんですかね」
ん? 何だか話が変わってきた。
「えっと、それはつまり(細かいことが)気になる(几帳面)人(もも)が気になる(好意)人(僕)のことが気になる(興味)ってこと?」
「さあ、どうなんでしょう」
彼女は椅子に座り、満悦そうな表情を浮かべている。彼女の手のひらで踊らされているのを感じる。
「さっきから先輩、自分の気になる人のことは話さないで、私のことばっかり気にしてますねえ」
ん? 何だか話が変わってきた。
「えっと、それはつまり(僕が)気になる(好意あるいは興味)人(君)が気になる(好意あるいは興味)人(僕)のことが気になる(興味)ってこと?」
「さあ、どうなんでしょう」
彼女は上機嫌に鼻歌を歌い始めた。僕はそろそろ自分が何を言っているかわからなくなってきた。
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