ペンション

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つい先月の事です。たまたま彼女と翌日からの3連休が被り、小旅行でもするか?という話になりました。 [前日予約で半額] [残り1室] [豪華ディナー付き] [ディナー時アルコール飲み放題] [完全家族風呂7種(露天有り)] 家から電車で2時間ほどの、とある有名な観光地に場所を絞り旅行サイトを検索したところ、かなり良さげなプランのペンションを発見。ネット上の評価も高く、すぐに予約しました。 翌日、午前中から2人で電車に揺られペンションの最寄り駅へ。お互い仕事が忙しく旅行なんて久しぶりで、どちらともが初めて行く観光地だったこともあり、年甲斐もなくワクワクしていました。 旅行サイトの情報では駅からバスで15分。私達を待ち構えていたかのように停車していたお目当てのバスに乗り込み、すぐさま発車。 次第にホテルや住宅は無くなり、山道をどんどん登っていきます。ペンション前のバス停はほぼ山頂と言っていいような場所にありました。 「えー!すごいよ!推理漫画に出てくる洋館みたい!」 「おー、まさにそんな感じだな。」 ペンションは誰が見てもそう連想するような外観で、非現実感に彼女も私もテンションが上がりました。西洋風な玄関のドア開けると、とてもこんな田舎に居るようなタイプには見えない洗練された爽やかな美青年が受付に1人。 「本日はお越し頂き誠にありがとうございます。早速、当ペンションの位置関係と、お客様のプランの説明をさせて頂きます……。」 7つのお風呂の場所や利用方法、受付横のガラス扉の向こうのレストランルームに集まり宿泊客皆で18時から食事を取ることなど諸々の説明を受け、鍵を貰って自分達の部屋へ。ペンションは2階建てで私達の部屋は2階でした。 「絶対当たりだよココ~!」 「俺ペンションって初めて利用するんだけど、最高だね。」 部屋もお洒落で綺麗。7種類のお風呂はコンセプト別にデザインされていて、檜の露天はちゃんと温泉です。一通り入浴を楽しんで部屋に帰ってくると、タイミングよく部屋の電話の呼び出しが鳴り出しました。
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