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今の私なら、視界の端ギリギリに映る彼女達の気持ちを共有することが出来るだろうか。
そう心に芽生えた歩み寄りを、間髪を容れずに否定する。
それは彼女達と私が追い求める存在に埋められぬ差があるから。
やがて白鷺は私を弄ぶかのように、優美で、蠱惑的な、薄らいだ笑みを見せる。
スクールパーケットの市松模様が波紋のように揺れる。
飛び立つ白鷺は窓の硝子を通り抜け、その形を空気に溶け込ませてしまった。
私はまたもやごくごく自然な動作を以てして、垢に汚された窓の鍵を外す。
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