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僕は体がほとんど動かない。
珍しい筋肉の病気で、かろうじて腕が動かせるだけだ。病名は長くて忘れてしまった。
ご飯も食べられないので病室で点滴を打ってもらっている。
同室には僕と同じ病気のおじいさんがいる。
おじいさんのベッドと僕のベッドは白いカーテンで仕切られていて、お互い顔を見たことは無い。
だけどおじいさんは博識で話が面白く、色々な事を僕に教えてくれる。
おじいさんの症状は僕よりも酷く、体調が悪くなってもナースコールを押すことさえ出来ない。
僕らは心臓にも問題を抱えていて、心電図に問題があるとアラームが鳴る様になっている。
アラームがなったら僕がナースコールのボタンを押す。
僕の腕は二人の命のセーフティネットだ。
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