決行※

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果てた後必ず私を辱めるために、愛し合うときとは無縁な液体を太腿と太腿の間の前方から垂れ流してくる。そのアンモニア臭がする液体を私は極上の美酒でも飲むようなうっとりした顔をして口の中に流し込まれる。ここで嫌な顔でもしようものなら、焼きごての刑が待っている。菜箸、アイロン、フライパン、あらゆる熱したもので焼印を入れられる。必死で心とは裏腹の顔を作る。 いつだったかもう記憶もおぼろげになったが、エビの天ぷらを揚げた天ぷら油を彼がもう一度熱して、キッチンの裏口から庭に出されて素っ裸のままかけられたこともある。ベロベロにただれた皮膚を治すために、個人輸入でアメリカから塗り薬を買ったこともある。とにかく最後の最後まで従順な飼い犬を演じなければ彼は満足しないどころか、その凶暴性は増幅される。 私はただ大人しく逆らわずにやり過ごすことだけを考えていた。
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