異変※

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一番心に堪えたのは、斜めドラムの洗濯機にぐにゃぐにゃに押し込まれて、鼻をY字の洗濯バサミで塞がれ息がしたくて反射的に大きく呼吸すると、嫌がっても太股と太股の間を押し付けてきたことだった。モノだと勘違いしてるのかあまりにも押し付けすぎて、私がえづこうが、戻そうが気の済むまでお構い無しだった。 這ってそのまま浴室に行けと命令されて、あまりの気持ち悪さに浴室の洗い場に這い出ると、お湯ではなく冷水のシャワーがかけられた。冷たさに体を震わせながらも、戻したものが洗い流される安堵感の方が大きくて、四肢を縛り上げられなくても抵抗する気にならなかった。 「とっとと掃除しろ、汚くて俺が入れない」 非道な言葉にも言い返す気力もなく、戻した痕跡を一早く消したい一心で、裸のまま冷たい水と洗剤で神経質なほど入念に掃除した。 掃除が終わると浴室で彼が果てるまで、彼の欲望を満たすためにさらに地獄のような目に遭った。ベルトや鞭に飽きた彼は角材を常に持ち歩いている。ちょっとでも躊躇いや羞恥心を見せればふくらはぎをぶたれる。 だから浴室にいるときは四つん這いで片足を上げて、本来はトイレでするべき液体を垂れ流せと言われれば言う通りにした。いや、苦しくてせざるを得なかった。 「ほら、この角材を電柱だと思ってしてみろ、散歩中の犬がよくやってるだろ?」     
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