異変※

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首輪に繋がったリードを限界まで引っ張ってリードで首輪ごと絞めにかかっている。苦しくて、愛し合うときに偶発的に起きるそれではないから嫌だと思っても、惨めな格好でも、あと少しで死にそうで苦しくて、苦しさで体から反射的に流れてしまった。 「牝なのに足上げて下品だな、馬鹿犬」 また掃除を命じられて、浴室のドアの外で洗面所の床をコツコツと別の角材でリズミカルに叩きながら、 「100数えるまでに、終わらせろ。俺はまだ満足してないからな」 角材で床をコツコツと叩く音に怯えながら必死で掃除をして、また彼が入ってくる。最後は私の頭を湯船に突っ込んで苦しくてもがいてる後ろ姿を見て興奮して果てたらしい。 水面に押し付けられた頭を押さえる手が離れた瞬間、私はむせかえりながら必死で呼吸をした。 荒い息を整える暇もなく、浴室の洗い場に仰向けに倒されて、さっき私が片足を上げて垂れ流せと命じられた液体を彼は意図的に私の顔を狙って放出した。 「ほら、跳ねるから口を大きく開けて飲め。」 角材で今度は浴室の床を叩いて私を脅す。さっき窒息死しかけた恐怖で、泣きじゃくったまま大きく口を開けて従う。 浴室の作り付けのシャンプーやリンスを置く棚には、いつの間にかデジタルビデオカメラが置かれていた。不在時だけでは飽きたらず、こういう際どいところまで録画するようになった彼に私の憎悪の念一層強くなった。
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