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さらっと怖いことを平気で言う。看護師さんは預り証にテキパキ記入していく。化粧水1本、乳液1本、ブラジャー5枚って、品目バッチリ書かれてもう呆気に取られるばかり。異文化に驚愕しつつも預り証について気になって好奇心が勝って聞いてしまった。
「預り証書くってトラブル防止ですか?」
「そうです。退院のときに揉めないように必ず預り証書くんです。ご家族になるべく持ち帰ってもらうんですけど、ご家族が来られない方も多いですから」
「す、すみません…。」
「大原さんは気を遣い過ぎるタイプかな~。私たちは色々な方々の看護してるからそんなに気を遣わないでくださいね。ちゃんとコミュニケーション取れるタイプだから私たちもやりやすいし」
のんびり喋りながらテキパキ作業してる看護師を見て、コミュニケーション取れないタイプの患者さんもいるってこと?とこれから先の入院生活がものすごく不安になった。
それから部屋が変わって診察が始まった。診察室に座っている医師は小柄でひょろっとしていて、若くて吹けば飛ぶような印象だった。医師にありがちな威厳や自信が白衣を着て歩いているタイプとは真逆だった。
「大原尚美さんですね?」
青い縁の眼鏡をくいっと鼻のところで押し上げて医師は私に問いかける。
「はい。」
「担当いたします、山野辺と申します。よろしくお願いします。」
「はあ、よろしくお願いいたします」
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