3 水晶玉

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 その日の深夜。  いつものように水晶玉を撫でてからベッドに入り、電気を消した。眠ろうと目を瞑ったが、瞼に光を感じて目を開けた。光のほうに目をやると、ベッド横に置いた水晶玉が、暗闇で青白く光っている。それは今までにない、はっきりと熱を帯びた光だ。 「なんなの? 一体どうしたの?」  次の瞬間、水晶玉は部屋中を照らさんばかりの光を発した。その眩しさに顔をそらした。途端、メッセージが脳内に響いた。  ――己の分身を探し、こちらに来なさい。  お告げとともに光は消えた。恐怖で膝がガクガクと震え、こめかみから冷や汗が流れた。  分身って……、こちらって……なに?  あの日以来、ずっと避けてきた。自分自身に起こったことが恐ろしすぎて、考えないようにしてきた。  私は、どうして、こんな姿になったのだ。どうして先生の後を継ぐことになったのだ。  『あなたの内に、私の分身が見えるのです』  ふいに、先生の声が脳裏に響いた。  そもそも、どうして先生は私に「占い師になれ」などと言ったのだ。 「まさか……」  先生も分身を探していた……?  それが……私?   まさか、私は死ぬの?
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