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「犯人は有栖遊容疑者。自称無職の二十二歳で…… 」
テレビから滑舌の良く聞き取りやすいキャスターの声が聞こえた。
「あっ、私ちょっと今日用事あるんだった…… また連絡するね…… 」
「えっ? あ、あぁ」
果穂はいきなりそう言うとソファの横に置いてある鞄を手に取り、ソファに置いてあった麦わら帽子を被り足早に部屋を出て行ってしまった。
チラリと見えたその表情はいつもとは違く、困惑の表情を浮かべている様にも見えた。
一体何の用事だろうか? 表情から見るに急用そうだが…… まあ、あまり気にしても仕方がない。
下手に刺激して彼女を怒らせてしまっては元も子もない。
こんなしがないライターと付き合ってくれているだけで感謝しないといけないのだ。
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