愚痴は言えても

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ああ、戻りたくないなー。 一緒にサボれたらいいのに。 そう思いながら歩いていると、向かい側から女性が歩いてきて。 その女性の姿に、私は一気に地獄に落とされた気分だった。 「あやちゃん、お疲れー」 「……お疲れ様です、玲さん」 軽くお辞儀をして、私は先ほどより早足でお店へと向かう。 「もう、翔太、こんなところでサボってー」 「あはは、ばれちった」 「翔太のサボるところなんてわかりますー」 奥からそんな会話が聞こえて来て。 さっきまでドキドキしていた胸が、一気に痛くなった。 やっぱり、恋なんて、両思いじゃないと楽しくないじゃないか。
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