お地蔵さん

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私は梨恵。高校2年生。 毎朝家の近く坂道を上ってすぐ右にある小さなお地蔵さんにお参りしてから学校へ向かう。 どこにでもあるお地蔵さんだけど、そのお地蔵さんからパワーを貰える気がしてどんなに遅刻ギリギリになろうが毎朝お参りをすることはかかさない。 今朝もいつものようにお地蔵さんにお参りしていたらふらっと1人の男が現れた。 「はじめまして。僕、このお地蔵さんの持ち主なんだ。いつも君がお参りしてたの見てたよ。」 (いつも見ていた…?というか持ち主って何?!) お地蔵さんの持ち主と名乗る男に疑問を投げかけたかったが男はいなくなっていた。 それから毎朝、声をかけてきた男の存在を気になってお地蔵さんにお参りする時辺りをチラホラ見回すようになった。 一体どこから見ているのか、どこに住んでいる人なのか。 モヤモヤした気持ちを抱えながら学校へ向かった。 授業中も友達と話している時も男のことで頭がいっぱいだ。 最初は男に不信感を抱いていて不安に思っていたが頭の中で考えていくうちにに男のことをもっと知りたいという思いで溢れていた。 (明日、また前みたいに会えたらいいな、聞きたいこと沢山あるんだから) 学校が終わり、帰り道でお地蔵さんにお参りして男のことを考えて眠った。
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