ハイジャック

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ハイジャック

我々は国際的なテロ組織、『自由の大鷲』だ。 今、我々はかつて逮捕された同志達を解放するため、旅客機をハイジャックした。 3年前から入念に計画してきた『自由の大鷲』の名にふさわしい偉業だ。 「大人しくしろ。大人しくしていれば、何もしない」 乗客に銃口を向けながら、リーダーが叫ぶ。 乗客は皆が恐怖の中に静まり返っている。 コックピットや、CAは既に我々の手の内だ。 ハイジャックは概ね成功だ。 あとはリーダーが政府に交渉して、同志の解放を実現させるばかり……、なんだけど……、 ……なんだ、アレ……? ヤバい。 超、気になる。 俺、メンバーとして左サイドから乗客に銃口を向ける係なんだけど、 超、気になるッ。 いやいや、だって、俺のすぐ前に座ってるヤツ。 全身緑色。 頭に触覚。 牙生えてる。爪鋭すぎる。 ゲップすると口からちょっとビーム出る。 何、この人? ってか、人? 人で大丈夫? ヤバい。 超、気になる。 気になりすぎて、足がガクガクしてきたよッ。 「おいッ。貴様ッ」 リーダーが言う。 どうやら俺に向けてだ。 「はい」 俺は答える。 「集中しろ」 案の定、怒られた。 でも、でも、でも……、 ふと、俺はアイツを見る。 アイツは鼻を押さえていて、     
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