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気になるその子
神経質で早とちりな隼人は頭の整理がおぼつかない。
気がつくとノートに、その子のことを断片的に書いて整理した。仕事終わりで頭も気温もクールダウンして、身の回りのことが一段落した後、静かでな自宅のデスクで。その子のことに気になっていたことにはっきりと気付いた。
気になっていて、次の一手を考えていることも。
気になる瞬間って、後々気付くもの。
鈍い部分もある隼人は、書いたメモを眺めて
そんな風に思っていた。
思えば、何となくで、そんな気すらなく、
その子に徐々にはまり込んでいった。
元々、趣味のつながりで知り合いSNSを交換した程度だった。共通の友達がきっかけで、その子の定期的な音楽ライブに行くようになった。その子は、明るくて、人懐っこかった。ライブ後にも少しずつ交流を深めた。
そしてその子は、何より、ほぼ誰からも言われるような、洗練された美人で、とてもしなやかだったが、隼人は始めはあまり気にならなかった。
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