他言無用

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他言無用

  小学校の同窓会が催された夜のことです。  一次会、二次会と大人数での歓談に疲れた私とSとTは、三人でゆっくり飲み直そうと小さな居酒屋に入りました。  SとTはクラスでも目立った悪ガキ男子でしたが、女子の間では浮いていた私と何故か気が合い、よく一緒につるんでいたのです。  あのころ私たちが夢中になったのは、「『学校の七不思議』を探せ」という遊びでした。トイレの花子さんや動き出す理科室の人体模型、ひとりでに鳴り出す音楽室のピアノ。七不思議の定番と言われるそんな怪現象が、ウチの学校でも起きはしないかと、ワクワクしながら探索したものでした。  そんな私たちの探検も、ある出来事をきっかけに辞めざるを得なくなりました。それは 「体育館に、白い服の女の幽霊が出る」  という噂を、S君が聞きつけてきたのが始まりでした。私たちは早速、お昼休みや放課後に、三人で体育館を隅々まで探検しました。 「幽霊が出るのは、やっぱり夜だろう」  と、こっそり日が暮れてから体育館に忍び込んだりもしました。しかし何故かそれがバレてしまい、私たちは教師から大目玉を食らう羽目になったのです。 「幽霊なんているはずがないでしょ!」     
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