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嬉しくて、恥ずかしくて、なんだかこしょばゆい感情に襲われて、ほころばせた口を隠すように俯いた。
「ほら、行こう。」
そう言って引かれた左腕。
僕はハッと顔をあげると…
「綺麗…」
森に続く石の道が…道しるべのように光っていた。
桃色、黄色、水色…
石ごとに色んな色に光っていて、主張しあっていた。
「まるで…ヘンゼルとグレーテルの道しるべだ…」
「すごいでしょ?」
満足げな笑顔で僕の顔を覗き混むサラ。
僕はそれに大きく何度も頷いた。
こんなに窓の中と外が違うなんて知らなかった!
僕とサラは石の上を飛びながら森に向かった。
光る石を目印に真っ暗な森を抜けていく。
真夜中の森に関わらず、獣の声も、気配すらもしなかった。
静かな森を抜けていくと、強い光が差し込んできた。
「ようこそ、私の家へ!」
サラは舞い踊るように家に手を向けて言った。
空色の屋根に、白いレンガの壁。
丸っぽいクリーム色のドアには、ローマ字でSARAって書いてある。
家の回りには名前はわからないけど、小さくて可愛い花がたくさん咲いている。
サラって感じの家だ。
家までドールハウスに見えてくる。
「可愛い家だね。物語にありそう。」
「ふふ、ありがとう!私この家大好きなの。」
サラはまた小さな可愛らしい昔の型の鍵でドアを開けた。
中もまるでドールハウスみたいで、
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