第1章

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「願い?」 「なになに、とぼけちゃって」 人差し指で莉那の頭をつついて顔を覗きこんだ。 「え?え?本当に知らないの?」 「知らない」 「まじか。仕方ないなぁ。じゃ、俺様が現れた理由を特別に今日だけ教えてやる。驚くなよ。それはな、お前の願いを一つ叶えてやる為に、俺は現れたんだ。凄いだろ。だけど何でも叶えるって訳にはいかないんだ。素敵な彼氏が欲しいとか、お金いっぱい欲しいとかはなしな。そんなの自分で頑張れば何とかなる話だからな。それにいっぱい願い事を叶えてなんてのもなし。一つじゃなくなるからな。魔法使いにでもなるのかよって話だ。さぁ、何でも叶えてやるから、言ってみな」 (既に何でもじゃないし、凄く面倒くさそう) 「今、間に合ってるから大丈夫です。ありがとうございました。なのでお帰り下さい」 「はぁー?はぁー?お前、この俺様に向かって帰れだと?今すぐ取り消したら命だけは助けてやる。さぁ、どうする?」 ピンクマンは、顔を真っ赤にして怒鳴ってきた。 「えっ、命?」 (やっぱり面倒くさい案件だったよ。でもまだ死にたくないし、ここはとりあえずこの人の話に合わせておこう) 「ごめんなさい。私が悪かったです」     
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