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「願い?」
「なになに、とぼけちゃって」
人差し指で莉那の頭をつついて顔を覗きこんだ。
「え?え?本当に知らないの?」
「知らない」
「まじか。仕方ないなぁ。じゃ、俺様が現れた理由を特別に今日だけ教えてやる。驚くなよ。それはな、お前の願いを一つ叶えてやる為に、俺は現れたんだ。凄いだろ。だけど何でも叶えるって訳にはいかないんだ。素敵な彼氏が欲しいとか、お金いっぱい欲しいとかはなしな。そんなの自分で頑張れば何とかなる話だからな。それにいっぱい願い事を叶えてなんてのもなし。一つじゃなくなるからな。魔法使いにでもなるのかよって話だ。さぁ、何でも叶えてやるから、言ってみな」
(既に何でもじゃないし、凄く面倒くさそう)
「今、間に合ってるから大丈夫です。ありがとうございました。なのでお帰り下さい」
「はぁー?はぁー?お前、この俺様に向かって帰れだと?今すぐ取り消したら命だけは助けてやる。さぁ、どうする?」
ピンクマンは、顔を真っ赤にして怒鳴ってきた。
「えっ、命?」
(やっぱり面倒くさい案件だったよ。でもまだ死にたくないし、ここはとりあえずこの人の話に合わせておこう)
「ごめんなさい。私が悪かったです」
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