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あぁっ…またクラスが…。
佐藤が唇を噛み締めた時だった。
「うるせぇ、音痴」
教室に声が響いた。
メチャクチャ歌っている摩波呂よりも、大きな声が。
え?
佐藤は驚いて、ピアノを弾く手を止めた。
だだだだだだだ、誰?今の誰が言ったの?
クラス全体がシンッとなった。
その視線の先には、九条一臣がいた。
「なんだとーっ!!?」
摩波呂が顔を赤くして一臣を睨んだ。
怒りに拳を握り、一臣に近づいた。
顔が近い。
「音痴は歌うな。先生のピアノが聴こえねぇし、皆の耳が腐る」
摩波呂に聴こえる程度の声で、しれっと言ってのける。
「く、く、九条~ッ!!」
とうとう摩波呂が怒りを爆発させた。
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