番外編『少年王子・九条くんの事件簿』④

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佐藤が止めに入るものの間に合わない。 摩波呂が殴り掛かったのを一臣はヒョイッと避けた。 すると見事に空振りを決めた摩波呂は、何もない床へと転がっていった。 それを見ていたクラスメイトは大爆笑。 「くっそう~ッ!!」 余計に怒り狂った摩波呂が再び殴り掛かってきた。 室内に悲鳴が上がったが、一臣が逆に殴り返した。 それによって尻餅をついた摩波呂は、その場で怒りと恥ずかしさと、普段から気にくわなかった一臣からの反撃に感情が混乱。 泣き喚いて近くの椅子を持ち上げた。 が。 投げる前に一臣の足払いで再び転んで、持っていた自分の椅子が頭上に降るという最悪な事態に、大号泣をしたのだった。 やんややんやのクラスメイト。 泣き叫ぶ摩波呂。 隣から駆けつけた同僚。 慌てて摩波呂に近づく佐藤。 そんな中で一臣だけが静かに傍観していた。
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