番外編『少年王子・九条くんの事件簿』⑤

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とうとう運命の放課後だ。 「摩波呂は音痴って言われて、殴られたって言ってますよ?!先生が嘘を言ってるんじゃないんですか?!」 摩波呂が音痴なのは事実だ。 おまけに先に殴ったのは、摩波呂。 「摩波呂を悪者にしたいんですね?!」 どっちが悪者とか悪者にしたいとかじゃない。 第一に、子どもの事を悪者だなんて一度も思った事はない。 子ども同士の喧嘩には意味があるのだ。 「摩波呂はいつも言ってますよ!佐藤先生に怒られたって!!」 怒るというか注意です。 いつも彼の起こしたトラブルに対して、時間を割いて話し合いをしています。 その間の保育は止まりますけど…。 お迎えの時間を三十分も前に早々やって来た摩波呂の母親に、槍のようにグサグサと言われてヘロヘロとなる。 止められなかったのは自分の責任なので、謝るしか方法は無い。
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