番外編『少年王子・九条くんの事件簿』⑤

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「そういえば、前にも摩波呂はその子に仲間はずれにされたって言ってましたよ?!」 母の怒りをよそに連れられて来た二歳の妹は、部屋の本を片っ端から引っ張り出してはそのままにしていた。 「ね~ね~ママぁ、ジュース欲しい!!」 喉が乾いたと言っては、母親が取り出した紙パックのジュースを飲む。 一時間に三本目…飲ませすぎだ。 しかも溢しているし、二本目に至っては半分残していた。 あぁっ、部屋の中を走らないで。 危ないから~ッ! と思ってたら案の定転んでギャン泣き。 「蘭羅(らんら)大丈夫?!」と駆け寄る母。 所長と佐藤も駆け寄るが、キッと睨まれる。 「先生の掃除がきちんと出来てないから滑ったじゃないですかっ!!」 コンコンッ そこへ部屋のドアがノックされる。 視線を向けると、静かに開かれた。
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