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「マジか、お前ら、まとまるの早いな」
二人がしばらくキスに夢中になっていると、あとから帰ってきた湊がそこに立っていた。
「俺の出る幕はなさそうだな」
「あ、お兄ちゃん・・・」
「でも仲が良いのはいいけどさ、ここ庭先!そして今日は親父の葬式!少し考えようね」
「ごめん、湊。あの・・・」
「圭人と渚が結婚したらいいのになって」
「え?お兄ちゃん?」
「親父が死ぬ前に言ってたんだ」
「うそ・・・お父さん、私にはそんなこと一言も・・・」
「親父はたぶん、全部分かってたんだろうな。本当、すげぇな」
湊は少し涙ぐみながら、青空を見上げた。
そして、
「中でこれからのこと、少し話そうか」
そう言って嬉しそうに家の中へ入っていった。
圭人と渚も、青空を見上げて亡き父に想いを馳せながら、湊の後に続いた。
今年も、もうすぐ夏が始まろうとしているーーー。
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