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次の年の夏、圭人は本当に再びこの街に戻って来た。
一年ぶりの圭人は少し背が伸びていて、男らしくなっていた。
同じ歳の兄の湊とは親友のように仲良くなり、父も息子のように圭人を可愛がった。
渚も昨年よりも、もっともっと圭人が大好きになり、暇さえあれば周りをうろちょろしていた。
やはり夏休み最後の日は涙ぐんでしまい、そんな渚に圭人は、
「また来年、来るから」
と、優しく言ったのだった。
渚は一年が長く感じた。
早く夏が来ればいいのに。
そう思いながら、冬を迎え、春になり、中学生になった。
「少し女の子っぽくなったんじゃない?」
その年の夏に再会した時はそんなことを言われた。
「もう中学生だからね!」
と、渚も自信満々に答えた。
「渚はきっと、綺麗になるね。将来が楽しみだ」
なんて嬉しそうに言う圭人を見て、渚は初めてドキっとした。
その年の圭人は受験生だったのにも関わらず、この街に来た。
そして同じ歳の湊といつの間にか打ち合わせをしていたらしく、二人はバイトのシフトを減らして、揃ってこの街の予備校に通った。
お陰で渚はこの年、いつもより多く海の家を手伝わされた。
そして圭人ともあまりサーフィンができなかった。
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