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「……お前ね、俺とお前とこのガキとでフロント行くのか? 俺がフロント係ならすぐさま警察に通報するね。しかもそいつはこの辺りじゃ有名人だぞ? タクシーのルームミラーじゃ分かんなくても、あの距離ならすぐバレる」
「……」
そう、かもしれない。
どう見ても親子はあり得ないし、兄妹も歳が離れ過ぎだ。なりより、千代の顔は宗教団体の『顔』なのだ。
その千代はといえば、疲れたのかベッドでぐっすりだ。
「えと、それで那智さんはいつ来るの?」
「さあな」
「……今日中、だよね?」
「ってか、世莉、お前は帰ってもいいぞ?」
「え? ……あ、うん」
確かにここに居ても役には立たない。しかも、親にも日帰りと言ってあるし、明日からは学校もあるわけで……。
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