迷子とか迷子じゃないとか。

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「やぁ、寂しくなかったかい? 神威」  ドアを明けての第一声がそれで、神威は無言でドアを閉めた。 「ちょっ、神威! なんで閉めるの! 開けて! 開けないなら開けるまでホークスの応援歌歌うからね!?」  ドンドン叩く那智に、盛大なため息を、ついて神威は再びドアを開けた。 「阿呆かっ! 目立ってどうする!!」 「神威が閉めるからでしょ!?」 「閉められんようにフツーに入ってこい!」  そんなこんなで、那智が来たのは夜だった。 「これでも車飛ばしてきたんだよ? ほら、神威と世莉ちゃんに間違いがあったらと思って」 「寝言は寝て言え」  そんな寝言だとしても、那智が来てホッとしたのは事実で、世莉は小さく笑みを作った。
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