迷子とか迷子じゃないとか。

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「……おじさん、誰?」  そんな世莉の後ろに隠れて、警戒してる千代に、那智の笑顔が固まる。 「あー、えーと、お兄さんはね? 御厨那智と言って」 「オッサンだろ?」 「黙れっ、神威! 僕はまだそんな歳じゃ!」 「……なんか、那托(なたく)に似とう」 (本来は口編に那、托も手編ではなく口編なのですが、エブのシステムて??と表記されてしまいますので、那托と表記します)  ぼそっと呟く千代に「え?」と驚いたのは那智だった。 「今、なんて?」 「那托、おじさん、那托に似とうと」  繰り返す千代の言葉に「やっぱりオッサンだってよ!」と神威は笑うのだけど、那智は真剣な顔で「煩い!」と叫んだ。 「那托……、それは藤原那托のこと?」  そう聞くと、千代は「那托しか知らんばい」と答える。でも、「僕に似てるの?」と聞けば千代はコクンと頷いた。
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