迷子とか迷子じゃないとか。

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「……なんだよ、那托って」  神威に警戒しながらも、千代は世莉の隣で答える。 「八千代の会で、一番偉そうなやつばい」 「それ、偉い奴とは違うのか?」 「うん、一番偉いのは教祖様っち」 「教祖って、あの写真でおまえの隣に立ってたジジイか?」 「うん。でも那托が一番怖くて一番偉そうっち。このおじさん、那托に似とうよ」  それが、なんの意味があるのか。けれど、驚きを隠せない那智に神威が詰め寄った。 「なんだよ、那托って。人造人間かなにかか?」  人造人間? と首を傾げる世莉の前で、那智は首を振る。 「僕の、従兄弟(いとこ)だよ」  因みに那托とは、封神演義では太乙真人に作られた子供だ。だから神威は那托を『人造人間』と表したのだ。
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