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「従兄弟? 初耳だな」
「そうだね、話したことは無いし、これからも無いことを願いたかったよ……」
意味深な那智の言葉に、神威は眉間にシワを寄せる。
「でもそうか、彼が居るなら僕は潜入出来ないなぁ」
けれど、そう言っていつもの調子で話すものだから、それ以上追求するのを止めてしまった。
「ってか、細川のオッサンにやらせりゃいいだろ?」
「うーん、ただの窃盗事件ならそれでもいいんだけど、欠片を剥がされた鏡だけを返されても、細川さんじゃ分かんないでしょう?」
二人の会話に世莉も千代も、視線が右左に動くだけ。
「……お前の従兄弟って、欠片が分かんの?」
そんな神威の質問に、那智は苦笑いだ。
「僕と同じ力があると思っていい」
そして返される答えに、神威も渋い表情を見せた。
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