2237人が本棚に入れています
本棚に追加
「よう分からん。けど、たまに鏡がテレビみたいになる時がありようよ」
「それを君は信者の人達に教えてたの?」
「ううん、ナタクに言うと。それをナタクが伝えるとよ。ナタクが『言わんでも良いこともあるから』っち。見えん時でもナタクは見れって。でもお鏡様はいつもそれを見せてはくれんばってん、そう言うても、ナタクは無理矢理お鏡様持たせるとよ」
「……そう、それは嫌だったね」
そう言って那智が頭をそっと撫でると、千代は素直にコクンと頷いた。
「信じるのか?」
神威の質問に那智は「勿論」と薄く笑う。
「それで、千代ちゃんはどうしたいの?」
那智にそう聞かれて、千代は世莉を見上げた。
「世莉姉ちゃん、助けて」
「……え? え!? 私も!?」
いや、確かに最初に出会ったときもそう言われたが……。
最初のコメントを投稿しよう!