迷子とか迷子じゃないとか。

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「お鏡様に世莉姉ちゃんが映ってた。だから探したの」  そう言われても……、と那智を見るが彼も腕を組んで思案顔だ。 「まぁ、もう明日学校に行くのはちょっと難しいかなぁ」  そんな台詞に時計を見れば、確かに公共の乗り物では帰れない。 「それに、時間切れだ」  神威の言葉に那智も「うん」と頷いた。 「ねぇ、千代ちゃん。世莉ちゃんのこと、好きかな?」 「うん」と即答する千代に、那智はニコリと笑う。 「それじゃ、世莉ちゃんと一緒にお鏡様にのところまで行けるかな?」 「え?」と聞き返す世莉は置き去りに、那智は話を進めていく。 「お鏡様が認めたなら大丈夫。世莉ちゃんと一緒なら出来るって思ったんだよね?」 「うん」 「そして、僕達も手伝うから、二人でお鏡様を持ってきて。そして元あった場所に返してあげよう」 「うんっ!」
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