2237人が本棚に入れています
本棚に追加
見つかるっ、そう思ったのにーー。
「ナタク様、誰もおりません」
聞こえてくる報告に、世莉は心の中でホッと息をついた。
「情報では男性と一緒だと聞いたのですが……」
「あの、彼、だと思います」
「あぁ、二人でお泊りデートだったのか。それは邪魔をしてしまったね。その彼は?」
「……迷子の面倒を見れるかと、出ていきました」
世莉の言葉に、ナタクは笑顔ながらも困ったように視線を泳がせる。
「……えーっと、それは大丈夫なの?」
「あ、鍵は持ってるので」
「いや。そうじゃなくてね? えーっと、それでいいのかって話で」
最初のコメントを投稿しよう!