潜入捜査をするとか、しないとか。

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 たどり着いた施設は、至って普通のビルだった。『八千代の会』と書かれた看板に、『明るい未来を』と書かれた文言はまるで選挙ポスターのようだ。 「祓い給え清め給え、神ながら守り給え、幸わえ給え《さきわえたまえ》」  聞こえてくる祝詞に世莉が反応すれば、ナタクも「うん、ちゃんと祝詞を上げてるね」と説明する。 「うちは神道に重きをおいてるから、皆さんには祝詞奏上をするようにしてるんだよ」 「はぁ……」  けれど続けて聞こえてくる声に、世莉は首を傾げた。 「あれ? 今のところ、普通なら神社で祀られてる神様の名前ですよね? 天照大御神、とか」  そう聞くと、ナタクは笑顔のまま振り向いた。
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