潜入捜査をするとか、しないとか。

13/48
前へ
/388ページ
次へ
「あ、既読?」  けれど既読マークが付いて、すぐさま通話ボタンを押そうとしたのだが、続くコメントにその指を止めた。 『お疲れ様、世莉ちゃん。電話はしないで』  どうしてだろう? と思ってる間に次のコメントが来た。 『通話って不思議でね。離れた空間すら繋いでしまうんだ。それでナタクに気取られる可能性もあるから、コメントだけね』 「……そう、なんだ」  空間が繋がる、の意味は分からないが、言われるまま世莉は通話することなく、指を動かした。 『今夜はここに泊まれるそうです。個室で鍵もかかるし、大丈夫かなって』  けれど、向こうは合鍵を持ってるかもしれない。そんな考えが浮かんで、急いで備え付けの椅子をドアの前につっかえるように置いた。  ピコーンと鳴る音に、ビクッと反応してまたスマホを手にする。
/388ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2238人が本棚に入れています
本棚に追加