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「……ん」
なんだか寝苦しい。エアコンも完璧なのに、息苦しさすら感じる。すると、遠くからお教のような祝詞のような、言葉の羅列が聞こえてきた。
何を言っているかは分からない。けれど、目を閉じた瞼の裏に、招くような手が見えた。
……呼んでる?
そう思ったのだけど、なぜか行く気にはならない。
ふと、世莉は『これは夢だ』ということに気がついた。どうせ夢なら気持ちのいい夢を見ればいいのに、なんて思いながらその手を無視した。
寝よう。明日は大変なことになるかもしれない。いや、もしかしたら、ナタクという人は話のわかる人で、すんなり返してくれるかもしれない。
そんなことを考えていると、ふっと寝苦しさは消えて、そのまま寝入ることが出来てしまった。
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