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「……ん、何時?」
アラームは鳴らないのだけど、バイブ音が机を叩く音に世莉は手を伸ばした。
「ん?」
いつもならすぐに見つけられるのに、スマホか見つからない。
「……あれ?」
仕方なく目を開ければ、見慣れない景色で、世莉は一人「あぁ、そっか」と声を漏らした。
ドアを見れば、立て掛けた椅子もそのままで、自分のした事に苦笑いすらしたくなる。
その椅子を元に戻そうとして──。
「おはようございます、世莉ちゃん、起きてる?」
ノック音と共に聞こえてくる声に、声を上げそうになったのを飲み込んで、なんとか「おはようございます、起きてます」と答えて、ドアを開けた。
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