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「だっ、だって助けてって言われたら、普通は助けるでしょう!?」
「助けねぇよっ! その力も無いくせに!」
「だからって見過ごすなんてっ」
「ならこれから──」
「世莉ねえちゃんはこんな奴と一緒に居ちゃだめ!」
言い合う二人の間に入り、千代は世莉の前で大きくもない両手を広げた。
「千代、ちゃん?」
「この人、良くないもの持っとーよ! それで平気なんて変!」
意味の分からない言葉に世莉は首を傾げるが、神威の表情は明らかに不快感を顕にした。
「……煩いガキだな。まともに見えもしないくせに」
「ひっ! おっ、脅しても無駄やし! お鏡様があたしを守っとーよ! 変なことしたらっ」
「そのお鏡様もここにはないな。どうせなら持ってろ、役立たず」
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