迷子とか迷子じゃないとか。

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 震える千代を庇うように抱きしめて、キッと神威を見上げる。 「子供相手になんでそこまで言うの? きっと逃げ出してくるだけでも、凄く勇気のいることだったのに!」 「はぁ? 子供ならなんでも許されるのか? 御神体を盗むことも?」 「そ、そうじゃないけど、この子だってなんとかしようと……、そうよ! なんとかしようと助けを求めたんだから、それに答えるべきだと思うの!」 「どうやって?」 「え?」 「だから、どうやって?」 「……それは」  そしてまた振り出しに戻る。のだが高校生二人に出来ることなんて限られている。  そもそも日帰りの予定だったのだから、これからどうするかなんて──。
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