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ひとつ、ため息をつく神威をじっと見つめる。
「……とりあえずだ」
「うん」
「ホテルに身を隠す。俺がチェックインするから、こっそり入ってこい」
「……こっそり?」
「そんなガキを連れてたら目立ってしかないだろ」
言われて、納得した。
けれど、まずはホテルのある駅周辺、もしくは街中まで移動する必要があるのだが……。
「タクシーってすぐに足がつかない?」
結局、三人はタクシーで移動した。その際、千代の頭には途中で買った野球帽まで被せた。
「……刑事ドラマの見すぎ。そもそも、相手は警察じゃない」
「えと、それなら一緒にホテルにチェックインしたっていいと思うんだけど?」
隠れて待つ、というのはどうにも心臓に悪い。キョロキョロすれば完全不審者だし、千代は走り疲れたのか、ベンチに座りぐったりだ。こんなところを見つかったらと思うと、ずっと冷や汗ものだった。
そんな世莉に、神威は「はぁ」と特大のため息をつく。
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